埴輪はどこかへ

楽しさも、憂いも、全て旅の中にある。

公共交通で巡る台湾の街並みとグルメ旅[第1編]

全てに対して、新鮮な驚きを持って生きていきたい。

 

江差から糸満まで、ここ3年間ずっと国内をうねうねしてきた当ブログの筆者ですが、そろそろコロナも落ち着いてきて、何よりも日本入国時の厄介な取り扱いがいろいろなくなったところで、海外に行きたいなあという気持ちが盛り上がっておりました。札幌も石垣島も行ってないのにというツッコミは大歓迎ですが、長い休暇を取るのも徐々に難しくなってくるのかなと思い、一念発起、フライトを確保。海外旅行の手始めとして、治安もよくほぼ日本と同じような感覚で旅することができると評判の台湾に行ってみましたので、その報告を。おそらく全4~5回の記事になろうかと思います。今回は国外なのでやや記述細かめにしておくことで、日本語のレビューが少ない部分で後々検索にかかったときにお役に立てればという気持ちもあります。情報はすべて2023/3 現在のものです。

[1]TR875 SCOOT 台北経由シンガポールゆき 成田国際空港→桃園国際空港

成田空港からおはようございます。TR875(8:15発)はおそらく都内からの始発でギリギリ間に合う最初の便ではないでしょうか。羽田からのpeachなどが前泊必至の早朝に出ているのと比較するとかなりマイルドな幕開けです。

 

経由便だったことを知らなかったので表示板でシンガポールゆきと書いてあったのでひっくり返りかけましたがちゃんと定刻に台北に着きました。富士山が綺麗だった。ちなみに機内には日本人がほとんどいませんでした。成田発なのにどういうことなんだろう。ちなみに直後に成田→シンガポールの直行便もあるので、通しで乗る人の需要もよくわかりません。

 

桃園国際空港でiVideoのWi-Fiをレンタルしました。2日前の昼までに予約しておくと出口と同じフロアの6番カウンターですぐに受け取れます(日本からクレカ決済)。日本で借りるよりもはるかに安いです(5日で2000円を切っていました)が、ちょっとバッテリーが弱くて一日の最後まで持たないがちであったため、そこは注意が必要だと思います。おそらく一番お手軽な選択肢はeSIMなのですが、私のスマホが古かったので使えませんでした。

直接台北市内に向かうわけではないので、多少のレートの悪さは目を瞑って空港で両替しました。

最近桃園捷運機場線ができてすごく便利になった桃園空港。駅の券売機で悠遊卡を購入。500TWDのうち100TWDがカード代として返金不能な形で徴収されます。デザインは機場線の路線図付きの限定バージョン。

 

[2]桃園捷運機場線 Commuter 桃園機場第一航廈→環北

今回はLCCで行き帰りなので荷物を最小限にしており、スーツケースもなし。スーツケースなしで台湾に行く機会が二度とあるかわからないので、荷物がコンパクトなりの旅程を目指していきます。

多くの観光客が台北市内ゆきを待つなか逆向きの中壢方面に乗車。中壢方面と書いてあるのに厳密には臺鐵中壢駅の2つ手前の環北までしか完成していないのでとりあえずそこまで。車内にひたすら警備員がいてよくわからなかったので車窓は撮っていませんが、結構荒野が多め。他の幹線道路と交わるところではそれなりに街になります。楽天の球場とかもありました。

 

[3]桃園客運 171系統 捷運環北站→中央新生路口

Google で見ると漢字表記と英語表記が入り混じっているのですが、英語で書いてある方が逆に発音がわかるかもしれないのでわかりやすいのかもしれません。中壢のバスターミナルの2つ手前ぐらいで下車。中壢の街はかなり栄えており、日本では殆どなくなってしまったSOGOなどが鎮座しています。

ただ観光地ではないので、昼食をどうするかは完全にGoogle 頼み。適当に評価が良い店があったので駅まで行かず途中で降りて食べてみました。

電器行麺店の魯肉飯(40NTD)

麺店なので麺を食べるべきかもしれないのですが、とりあえず一食目だしいつ夜ご飯にありつけるかわからなかったので腹持ちのする魯肉飯を選択。地元の方しか来ないような食堂ですが、台湾のご飯のコスパのよさを我々に知らしめるには十分なインパクトがありました。

中央新生路口あたりの風景

 

莒光号

[4]臺鐵 510次 莒光号(新左營から七堵ゆき)中壢→桃園

区間だけですが、数を減らしている客車急行の莒光号に偶然乗車できました。車内は年季が入ってはいますが清潔で、走行音も静かでとても快適。桃園で降りたくなくなってしまったぐらいです。

後ろは適当

桃園站は大工事中で、新しい橋上駅舎ができて、古い線路やプラットフォームが撤去されかけていました。降りるとすぐに新光三越があって栄えた印象。街の中心にある景福宮まで進みました。

何気ない横道が好き。

なんせ時間がなかったので、途中で冬瓜茶をテイクアウトして駅までダッシュ。冬瓜茶は黒糖の主張が強くて美味しかったです。亞伯冬瓜茶、カップになみなみMサイズで35NTD。

[5]臺鐵 1202次 区間車(北湖から基隆ゆき) 桃園→鶯歌

区間車も冷房が効いて快適。ゆったりと走って8分で鶯歌へ。そんなに大きくない橋上駅舎に、日本と同じセンスを感じます。

鶯歌は陶器の町。LCCで来ているので焼物は荷物の個数と重さの問題で到底購入できないので商品はあまり見ていませんが、アウトレット店みたいな店先に並べられた商品の一部には美濃焼とか常滑焼とか書いてありました。日本でも割とそういうことありますよね。おしゃれな雰囲気の陶器店もいくつもあります。そういえばおしゃれなカフェもあるらしいですね。

 

[6]桃園客運 5005系統 國慶街[鶯歌]→復興路[三峽]

國慶街付近の風景

鶯歌から大漢渓の対岸にある三峽に移動。鉄道が開通する予定はある街ですが現状存在しないので、様々な方面に行くバスが表通りをものすごい勢いで駆けていきます。

 

大通りから老街方面に進むと、まず賑わう商店街を進むことになります。店内でマイクを使って巧みな話術で服を売りさばく若い男性や、半分屋台みたいなところで麺類や惣菜を売る人々、宮の前でタバコを吸いながらたむろする人々を尻目に進んでいくと、突然とんでもないものが目に飛び込んできます。

細い道の両側に、煉瓦造りのアーケードとゴシック様式の家屋がひたすら立ち並んでいます。日本の重伝建でもなかなかないような連続性を保って奥の方へ奥の方へと続いています。多くが歩道を取り込んだ2階建ての建築ですが、一部3階建てのものも混在し、またその表面には日本統治時代の屋号と思しきものが刻まれています。現在行われている商売とはほとんど連関していないものが多いです。

平屋部分もあります

 

人通りは決して多いわけではありませんが(台湾って活気のあるショッピングストリートが多いので相対的に、という議論ですが)、お土産屋なども立ち並んでいます。ここはすごい。台北からもそこまで遠くないのでぜひ少し時間が空いたときや少し郊外も見たくなった時などはお越しください。

 

老街の一番奥にあるのが勇伯豆花。メニューに値段が書いていなかったのに調子に乗って全部乗せ(綜合豆花)を頼みましたが、なんとわずかに45NTD。全部黒蜜に水没していて何が乗っているか写真ではわからないと思いますが、もちもちした球体や甘く煮た柔らかい豆などが載っており、豆花自体はかなり大豆の風味を感じる素朴な味。初スイーツからしっかりアタリを引きました。

[7]臺北客運 910系統 三峽老街(復興路)[三峽]→捷運府中站[板橋]

眺めOK

この910系統がとても面白い。もともとはMRT頂埔駅にバスで抜けるつもりだったのですが、目の前をものすごい本数板橋ゆきのバスが出たり入ったりしているのでもしかしたらこちらのがスムーズに着くのではないかと思って選択。

 

国立臺北大学を過ぎると、クロスシート主体でありながらも一応路線バスの車体で台湾の大動脈3号線(フォルモサ高速公路)に入り、周りの車と遜色なく80km/hぐらい出してビュンビュン飛ばします。インターを降りる渋滞に巻かれたかと思うと、その先も都市高速のような道。緩急のついた走りであっという間にMRT府中駅まで先回り。気持ちよすぎる。三鶯線というMRT計画があるらしいですが、もしそれができるとこの系統がなくなってしまうと考えると寂しいものです。

府中駅の周りには板橋慈恵宮や林本源園邸があり、周りを少し懐かしめの商店が囲みます。ただ林本源園邸は改修中かつ営業時間外だったので今回はスキップ。

 

[7a]徒歩 府中→板橋

東京で府中から板橋まで歩いたら翌日足がバキバキになりますが、新北市でなら十数分で着きます。板橋が凄まじい都会でびっくりしました。The 副都心といった感じで通勤の目的地にもなっていそうです。

稠密な市街地

板橋には主に台北市の郊外側にぐるっと広がる地域を管轄する新北市の政府があります。政府庁舎の高層階には無料の展望フロアが存在します。エレベータの位置がわかりにくいということと、目の前にでかいビルがあるという2点を除けば一切瑕疵のない展望台です。

そろそろお腹も空いてきたので台北市内へ。

 

[8]おそらく臺北客運234系統 新北市政府(中山路)→捷運龍山寺

この区間は市境越えではありますが、割と様々な系統が重なって本数があります。しかし帰宅ラッシュと重なってかなり大変なことになっていました。

台北市で有名な観光スポットであるところの龍山寺。夜でも観光客の姿は多く(近くに観光夜市もある)、きらびやかに輝いています。

人混みに疲れたのですぐに離脱して人の少ない方へ。剝皮寮歷史街區まで来ると人通りは減ります。かなりスクラップアンドビルドが進んでいる台北市内でここまでバロック風建築が残っている一角はかなり貴重です。ここは夜になると通路のみ開放になります。

 

[8a] 徒歩 龍山寺→西門

適当に1回目の夜ご飯を、と思って阿宗麺線に向かいましたがとんでもない人だかり。ただ凄まじい回転の良さで一瞬でありつけました。小(60NTD)にしましたがなかなかのボリューム。かなりたくさんの豚モツとやわらかな麺が、ざらっとした舌触りを感じるほど大量に鰹節を投入して深みを出したスープとマッチして大変美味しかったです。

 

[9] バスなど 西門→宿の方角

西門のあたりはバスレーンが整備されていて、バス停にたどり着くまでに少し時間がかかりますが、その分案内板とかはしっかりしているのですが、まさかの乗り違えをしてしまいました。西門から台北車站の緯度を越えて北上する系統はいろいろな筋に入るものがあるので十分注意しましょう(ちゃんと番号を見れば間違えないはずです)。

 

バスの乗り間違えでヘロヘロになりながら宿に到着。

宿の近くには夜市が立っていて、こぢんまりとしながらもかなり繁盛していて(食べる机を探すのに少し難儀しそうなぐらい)、蔡家傳當歸豬腳の豬腳飯(100NTD) をテイクアウトしてみました。

少し今までのものよりも値は張りますが、とろっとほぐれる肉は素晴らしい。付け合わせの明日葉やうずらも嬉しい。その隣の牛肉麵もかなり繁盛していましたね。

 

満腹になったので1日目はここまで。2日目の台北周辺観光に続きます。

ぜひ興味を持って頂けた方はスターを押してくださると筆者が喜びますので、お時間ありましたらよろしくお願いいたします。