埴輪はどこかへ

楽しさも、憂いも、全て旅の中にある。

2021東九州周り旅行:九州2日目ダイジェスト

行程

宮崎7:52→青島8:20: 日南線普通 青島ゆき

青島9:44→飫肥(駅前ロータリー)10:57:日南線代行バスJR九州バス南郷駅前ゆき

飫肥14:10頃→青島15:25頃:日南線代行バスJR九州バス青島駅前ゆき

青島15:40頃→南宮崎16:10: 日南線普通 南宮崎ゆき

南宮崎16:27→都城17:13(+4):日豊本線特急きりしま13号 鹿児島中央ゆき

都城17:16(+1)→鹿児島中央18:54(+2):日豊本線普通 鹿児島中央ゆき

 

朝は橘通のR220起点や駅前の日向夏ポストに宮崎っぽさを見出しつつみどりの窓口で切符を購入。ホームに上がるとJR九州ローカル線の代名詞ともいえる白地に青帯のくたびれたキハ40系列の車が大きな音を出して待っていました。

宮崎駅はそれなりに利用者はいそうでしたが2面4線とそこまで大きくないのでホームの前後で縦列停車を行うなど列車捌きに特徴が見られました。

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青島の幕すら入ってないのか?



とりあえず乗車。大淀川を気動車で渡るところからもう気持ちが良いのでアガってきました。田吉を過ぎると一気に列車が揺れるように。海岸に近い草むらをひたすら眺めました。

とりあえず列車の終点の青島駅で下車。原義青島を目指して歩きます。駅前の通りにも全く人気がなく、国道もほとんどの車が通過していくだけですが、橋のたもとまで来ると宮崎県内の小学生が校外学習に訪れていました。爆速徒歩で彼らを追い越して青島に上陸。上陸後0.5秒で隆起波蝕痕に出会いました。

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青島駅前通 人がいない

青島より九州本土側の洗濯板は浅い海底もしくは半分水没している磯みたいな状態になっていて、溝はきれいに海水で満たされていて絵面もとてもよい。青島は本土からわずかな距離にありながら一応両側に暖流が流れていると主張することができ暖地性の初期有物が数多く見られます。島を時計回りに一周しましたが、一周する遊歩道沿いには石蕗っぽいよくわからない花が、最後に訪れた青島神社の奥宮の手前では日本離れしたジャングルのような植生が見られました(奄美諸島とか沖縄に行ったことがないのでよくわからないのですがこんな感じなんでしょうか)。ちょうど太平洋側に出てくると広大な洗濯板でおもわずカメラを構えました。秋も暮れとはいえ暖かい宮崎の午前の海岸は、美しい太陽と青空が映えるすばらしいものでした。青島神社も朱色と特殊な植生の緑色のコントラストがとても良いですね。

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この旅行の時は日南線小内海駅あたりでの土砂災害の影響で代行バスでの運転。バスの運転手に加えて本来の列車の運転手と車掌と思われる方まで乗り込んで乗務員3人体制でした。乗客は5,6人ぐらい。駅名を連呼して突然何気ない道端に停車すると、誰もバスを待っていないことを路上に降りて指差し確認してまた乗務員はバスに乗り込むことの繰り返し。伊比井駅あたりまでは道路と日南線は近いところを走っていき、たまに修復中の路盤や放置された駅舎が垣間見えるなどしました。その先は代行バスの特権化も言えるかもしれない日南海岸区間。鉄道はそのまま北郷の街へ長いトンネルをくぐり抜けて行きますが、並行する区間に大型車が走行できる道路は存在せず、そのまま国道220号を日南市の風田交差点まで進んでいきます。その後は宮崎県道434号から宮崎県道28号に抜け、北郷駅から少し離れたところの駐車場に設定された臨時乗り場でバスは折り返した後、r28→内之田駅→r430と抜けて飫肥駅になんと90分近くかけて辿り着きます。

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列 車 代 行

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極上


日南海岸区間宮崎交通の路線バスでも通過できないことはないですが、値段がバカにならない(一日券を使えばそれでいいですが)ことと、やはり路線バスタイプであること、油津先回りであることから飫肥までの所要時間が大変なことになっていることなど様々勘案するとこの代行バスがもっとも値段/時間/快適性/車窓の面で優れているでしょう。もしかして日南線より優れているのではないでしょうか。ちなみに堀切峠は新道で通過し、途中で鵜戸神宮の入り口の前を通りましたが当然降車はできなかったので再訪は必要です。それにしても延々とつながる険しい海岸にうっとりとする濃い1時間でした。早朝の田野経由の高速便を選ぼうかとも思いましたが、やめてこの車窓を経験できてよかった。

 

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鉄道による通過だけでは得られない栄養分 

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お世話になりました

 

飫肥のまちなみは数ヶ月前から来たいと思っていましたが諸事情により公共施設が開いている期間が僅少であったためなかなか訪れる機会を得ませんでした。それが今回は偶然ながらちょうど全ての観光施設への入場が無料になる期間とあたりました。

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現代アートを理解したい

各施設の内部は芸術作品で飾られており、外見の渋さとは裏腹にある意味では近代的な空間づくりがなされていました。表通りが昭和時代の拡幅で多くの建物を失っているのは少し寂しい感じもしますが、一本入ると水路と生垣が美しい街並みで感動ものでした。ここでも宮崎県内の修学旅行生と大量に遭遇。食べ歩き中の厚焼き卵屋やカフェでもその姿を多く見かけました。厚焼き卵は、一般的な厚焼き卵とは完全に別物で完全にデザート。大量の卵と砂糖を均一になるまでしっかりと混ぜ、焼いた後に冷やす、ここが重要で、滑らかな卵は和風の味を残しつつプリンのような食感を与えます。不思議な食べ物でした。飫肥天(俗にいうさつま揚げ)もおいしかったし、適当に買った日向夏ジュースも期待を超えてさっぱりとして美味。

 

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飫肥城本丸 今は杉林になっている

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まちなみ。気持ちの良いストレートな裏路地。


施設のひとつひとつの内容は寡多はありますが、城内の資料館はコンパクトな中でも知識がかなり広汎に抑えられており勉強になりました。巨大な薩摩藩の横で、そこまで大きくない飫肥藩がどう立ち居振る舞うのかというのは難しい問題であったようです。合併されて日南市となった今でも簡易裁判所が置かれているなど宮崎県南部海沿い地域の中心性はいまだに残っています(商業の中心は日南市役所あたりのロードサイドに奪われてしまったのかもしれません)。

 

飫肥を3時間ほど散策したあとは南宮崎まで戻り、遅延する特急きりしまにはらはらさせられながら丘を越え、都城駅で猛ダッシュで乗り換え、暗闇の中を通勤型電車で直走って鹿児島中央駅に直行。

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おさがりであることを自ら証明

鹿児島中央駅ではLO直前でだれもいない駅ビルのむじゃきで夜なのに白熊(小さい方)。これが食べたくてこの旅行をしているようなもんですよ。

 

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顔の形に見える向きで写真を撮るのを忘れた 遺憾

そのあととてもコスパが良くしかも美味しいづけ丼屋桜勘(駅の東口からすぐ)でかんぱちのづけ丼をいただきました。これもすごい。かんぱちの養殖をしている会社が運営しているそうです。周りの客もこれだけ食べたのにまだこの値段か、もっと食うかみたいな会話をしていました。

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物価が崩壊している