埴輪はどこかへ

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沖縄:公共交通で巡る歴史とグルメの旅[2日目/伊是名島]

手に届くところに、神がかった景色。

 

この日からはひたすらバスや船を乗り継いで移動を行います。

おもろまち駅

とりあえずおもろまち駅のバスターミナル(の外側の大道に接しているところ)からスタート。

 

① やんばる急行バス 空港線 YKB888 おもろまち駅前→今帰仁村役場

はじめから高速バスで失格とされてしまいそうですがあまりにも便利なので。運賃は前払いでクレジットカードでも支払いできるのはかなり強い。早朝の便なのに乗車率はかなり高いです。

伊芸SA

途中石川IC付近で工事をしていたので20分ぐらい遅延。途中の伊芸SAでの休憩を切り詰めながら進みますが、名護市内などでもそこまでスムーズではありませんが、そこを過ぎれば爆走が始まります。風景印を集めたかったという理由だけで今帰仁村役場で下車。運賃の差額で風景印をもらい、運天港へ凄まじい勢いで歩きはじめます。想定しているよりも暑く、そして起伏も激しく険しい道程でしたが、屋根瓦を白漆喰で固めた家など、沖縄っぽいなあという漠然とした感情になります。

運天港は伊是名村伊平屋村の村営フェリーが発着する港。コンパクトではありますがそれなりの大きさのフェリーが2つ並んでいると結構圧力があります。(帰りの時間は二隻とも並びます。その時の画像がこちら)

 

② フェリーいぜな尚円 運天港→仲田港

1日2往復ある伊是名島航路に乗船。2023/2現在で往復3600円(うち入島税100円)、窓口では現金払いのみでした。伊是名島は実は沖縄本島から日帰りで行ける離島ですが、あまり観光についての情報はあまりたくさんあるわけではありません。バス乗り継ぎといいながら、この記事で伝えたいところは「伊是名島ってすごい!」という話です。

 

伊是名島航路はおよそ1時間程度の短い航海ですがいくつか見どころがあります。まず出港直後にすぐ古宇利大橋の全貌を眺めることとなり、青い海、エメラルドグリーンのサンゴ礁コントラストが大変美しいです。しばらくの間古宇利島の横を進みますが、リゾート感が満載。ちなみに船はそんなに混んでおらず、しかもかなりピカピカです。

そこからしばらく青い海が広がり、それなりに揺れます。そしてすぐに伊是名島のそり立った岩峰の特徴的なシルエットが見えてきて到着です。入港するとすぐにハブがいないアピールをされます。さすが沖縄。

仲田港のターミナルには売店がありお土産が一通り揃っています(逆に他に集積しているところはなさそう)。伊是名島にはバスやタクシーは存在せず、レンタカーとレンタサイクルは存在していますが、結構勾配もあるので今回は徒歩で回ってみることとしました。2023/2 現在のダイヤでの日帰り滞在時間は2時間。速やかに歩行する必要があります。

 

まず仲田港から南側に出て、伊是名玉陵方面に向かいます。農作業をしている方一人ぐらいしかすれ違わず、本当に人気のなく、ただ太陽の光が降りしきる広い道を進みます。

誰とも出会わぬまま重要文化財の伊是名玉陵に到着。伊是名島は、第二尚氏王統の始祖であるところの尚円王の出身地であり、伊是名玉陵も琉球国王家と関係があるものとされていますが、実際の被葬者が完全に明らかになっているわけでもなさそうです。那覇の玉陵と異なり石の階段を登った先に入口がありますが、崩壊の危険性から階段の手前からの拝観となります。石塀の内側の建物は遠くからしか見えません。近づけはしませんが、その荘厳さは十分に伝わるものとなっています。

そこからしばらく進むと私の契約している通信会社では全然電波が入らなくなり、いったい自分が全体のどれくらい進んだのかわからなくなってしまいました。伊是名集落の中心部でもキャリアによっては圏外になるようなので訪問の際はその点注意が必要です。

 

ただサムレー道の分岐を除けばほぼ一本道なので地図がなくても迷うことはありません。汗だくになりながら進むと忠霊塔の正面に展望台があり、眼下には美しいビーチ、エメラルドグリーンの海が隣の屋那覇島まで続いていて、初沖縄の私としては感動モノです。しばらく時間も忘れて立ち止まっていました。

岩峰

トップの写真の場所 すばらしい

坂をくねくねと降りていくと伊是名漁港にたどり着きます。漁協の直売所にはおにぎりと天ぷらが売っていました。滞在時間が短く飲食店に入れないのでありがたい。もっと早い時間に来ると弁当もありそうです。もずくやアーサの加工品も販売されていました。

 

そして整備された街角を通り過ぎると伊是名集落に至ります。集落に入ると重伝建地区として指定されていてもおかしくないほどの、the沖縄という風景が広がっています。ハブが生息していないために珊瑚石を積み重ねた各家と道を隔てる石塀が残り、フクギの並木も面的に広がっていて強い日差しを遮っています。日陰と日向のコントラスト、ハイビスカスや琉球寒緋桜の色彩が、常夏の島を印象づけます。

 

既に建物は失われたり近代的なものに建て替わっていたりしますが、一部旧家がそのまま残っている区画もあり、特に重要文化財に指定されている銘苅家住宅(村の管理)は明治時代後期に建造された伝統的な琉球様式の民家であり、沖縄本島にもあまり現存していない貴重なものです。敷地内は極めてきれいに整備されています。屋敷の格式の問題なのか、ここはゴロゴロした珊瑚石積ではなく切石積になっています。

 

 

帰りは内陸部を通る道から。伊是名村役場や伊是名郵便局の前を通り、海に向かってダイナミックに下がっていく道を進んで港に戻りました。船まではあと十数分。結局一周7km ほどの道のりだったようです。港のお土産屋で伊是名島の酒蔵の泡盛を購入して乗船します。

 

③ フェリーいぜな尚円 仲田港→運天港

 

帰りは海がさらに時化ていて、船はそれなりに揺れましたが無事に到着。その後数日間波浪の傾向を眺めていましたが、他の本島周辺の離島(慶良間諸島久米島粟国島etc)に比べて航路が高波の部分を通過しないように感じました。今回は駆け足で見てしまいましたが、きっと一泊しても見応えのある島でしょう。

運天港には売店があるので食料調達は可能です。

 

④やんばる急行バス 空港線 YKB888 運天港→ホテルオリオンモトブリゾート&スパ(沖縄美ら海水族館)

 

船と接続する時間のやんばる急行バスはちゃんと運天港から出発します。今帰仁から空港に行くだけなら名護に直行したほうが早いですが、世界遺産今帰仁城跡やリゾート地の美ら海水族館周辺からもしっかり乗客を拾っていくと確かに吉です。このバス停からは備瀬のフクギ並木も近いですが先程島でたらふく見たのでパス。水族館に直行します。

 

訪れたときには16時以降に入ると水族館のチケットが安くなる制度が存在したため、時間調整に先にマナティーでもと思い建物に入った瞬間に凄まじい雨が降ってきて出られなくなりました。マナティーありがとう。

この雲です

雨が小康状態になったところで水族館の本体へ。内部は暗く、魚はとてもすばしっこいので、手持ちのカメラではまともな写真が取れませんでしたが、楽しかった。ちなみに高速道路の深夜割引待ちみたいなイメージで16時直後からの人流に乗ろうとするとそれなりに混雑していました。

17時になると大水槽でジンベエザメの餌やり。ジンベエザメはその巨体で相対的に極めて小さい餌を摂取しますが、効率よく餌を濾し取るためにその時だけ立ち泳ぎになるそうです。面白い。

琉球バス交通 66/70 本部半島循環線 石川入口→本部高校入口

 

とりあえず宿に荷物を置いて、夜ご飯へ。沖縄でよく食べられているものの一つのステーキをお手軽に食べられました。ステーキソースを食べ比べできるのが地味に嬉しい。

本部町の市街地で朝食を買い出し。夜になるとスーパーを除いてかなりひっそりとした雰囲気になりますが、地元スーパーってやっぱり面白いですね。2日目はこれで終わり。おやすみなさい。